食い違う安倍首相と外務省 日中「三原則」騒動の真相は? -「週刊文春」編集部-
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食い違う安倍首相と外務省 日中「三原則」騒動の真相は? -「週刊文春」編集部-

日本の首相として7年ぶりの中国公式訪問だった ©共同通信社

 10月26日夕方に行われた日中首脳会談。波紋を呼んでいるのが、安倍晋三首相が習近平国家主席に提示したとされる「三原則」だ。

「首相は今後の日中関係について『競争から協調』『脅威ではなくパートナー』『自由で公正な貿易体制の発展』の3つの点を提案し、官邸のフェイスブックでも『三つの原則を確認した』と発信しました」(外務省担当記者)

 ところが、会談直後の26日夜、西村康稔官房副長官が三原則を否定したのだ。

「記者から『三原則を明確に示したのか』と問われ、西村氏は明言できなかった。結局、外務省幹部の耳打ちを受け、『三つの原則という言い方はしていない』と答えたのです。“首相発信”との整合性を追及され、西村氏は『俺、変なこと言ったかな』と漏らしていた」(官邸関係者)

 外務省も記者団に、わざわざ官邸フェイスブックのURLを貼った上で「一連の会談で三原則との言葉でこれら諸点に言及したことはない」とのメールを送信している。

「これには首相も『会談のカメラの前でも(三原則を)言ったじゃないか』と苛立ちを隠さなかった。西村氏の対応についても『だいたい西村もその場にいたじゃないか。チャイナドレスとか他のこと考えていたのかね』と不満気でした」(同前)

 実際はどうだったのか。

真っ向から食い違う首相と外務省

「首相の提案に習氏が頷いたのは確かです。ただ、中国外務省の発表には『三原則』の文言はなく、厳密には合意の前段階。外務省側は『首相が成果をアピールしたかっただけ』と見ています」(同前)

 真っ向から食い違う首相と外務省。背景には、首相の根強い外務省不信がある。

「今回も会談に先立ち、谷内正太郎国家安全保障局長が9月末に訪中したが、日本産食品の輸入規制緩和を巡って話を後退させてきました。首相は『何をやってきたんだ』とこぼしていた。ワシントンポストが北村滋内閣情報官と北朝鮮高官の接触を報じた際も、リークしたのは『外務省でしょ』と吐き捨てたほど。一方、外務省も官邸主導外交に警戒感を抱き、最高幹部の1人は『最近はNHKで首相の考えを初めて知らされる』とボヤいています」(首相周辺)

 相手は強(したた)かな中国。まず協調すべきはパートナーであるはずの首相と外務省だ。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2018年11月15日号)

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